Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


「ねぇ、お兄ちゃんどうしてヤクザなんかになったの?」


大好きなお寿司を頬張りながら、何気に聞いた。


再会してからずっとこれだけは何故か聞けずにいた。


両親が帰って来るまで、あと一週間。お兄ちゃんと、こうやって過ごせるのも残り僅かとなりお兄ちゃんの全てを知りたかった…―。


「そうだな、小さい頃からこの業界に憧れはあったんだ。チンピラじゃなくて男の中の男みたいな心も強いヤクザに憧れてはいたけど夢で終わると思ってたんだ。でも篤と出会った―」


確かにお兄ちゃんはよく極道系の映画を見ていた。怖い顔した男達が銃や刀で争い血が飛び散る場面を映画と分かっていながら目を塞ぎ画面を見れなかった記憶がある。


お兄ちゃんは殺し合うことに憧れはていたんだろか……?


そうだとしたら、やっぱり納得できない―。


「刑務所を出て何処も帰る場所が無かった俺は篤の親父に拾われ救われたんだ。そしてその親父の盃を交わした兄弟、つまり宮滝の親父に見込まれ親子の盃を貰い部屋住みまでさせてもらった。親父は俺の憧れていたヤクザだった。任侠の道を真っ直ぐに歩く、まさに男の中の男だった」


お兄ちゃんが時折見せる強い眼差しが太陽よりも眩しく輝いていた。














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