Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「麻里の荷物来た時の倍以上になっちまったな。明日車で送らせるから忘れ物が無いようにしろよ」
「うん。ありがと」
お兄ちゃんと過ごす最後の夜、沢山買って貰った荷物をまとめていた。
本当は両親が帰国するまであと三日あったけど、一ヶ月以上、山崎家を空けていたので家に居た形跡を残す為だった。
「せっかくだからお兄ちゃんが買ってくれた服のファッションショーしようか!見たいでしょ?」
「あほか!あんな短いスカート見せたらうちの連中に食われちまうぞ」
「照れないの!どの服からにしようかな♪」
あたしは次々に着て見せた。
お兄ちゃんはあまり見ようともせず”可愛いよ”と言うだけだった。
でも、胸元のネックレスだけは見てくれた。
「麻里、それ…ちゃんと持っててくれんだな」
あたしの胸元に光る二つの指輪を懐かしい眼差しで見つめた。
「うん、お兄ちゃんと会えない間、ずっとこの指輪が守ってくれたの。お兄ちゃんの返そうか?お父さんとお母さんの大事な形見でもあるし…」
「……」