Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「…ったく、いつになったら店に出れるのかな。もう半年以上、伝票ばっか眺めてるしさぁ」
いつもの帰り道、焼鳥をつまみながら莉奈が口を尖がらせて言った。
あたしはともかく莉奈は一年以上No.1ホステスとして頑張ってて、あたしのせいで毎日地味な雑用ばかりさせらて嫌気がさすのも分かる気がした。
「ごめんね…あたしのせいだよね」
「気にしないの。あたしも歳ごまかしてたんだからさ。ま、庶務課にいても篤さんは顔出してくれるしね♪あ〜今年こそは篤さんと海行くぞ〜!」
無理してはしゃぐ莉奈の姿に余計心が痛んだ。
「あの…これ、落としましたけど…―」