Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
事件が起きたのは今からちょうど五年前の夏だった。
当時あたしの生活は荒れ放題で毎日のように喧嘩や深夜徘徊を繰り返しては警察に補導され養護施設の先生を泣かせていた。
「麻里!お前また喧嘩か?いい加減にしろよ!本当に学校は行ってんのか?」
「うるさいな、お兄ちゃんには関係ねぇよ」
大好きなお兄ちゃんにまで反抗し、いつしか口も聞かなくなっていた。
あたしをそう変えさせたのは”嫉妬”だった。
お兄ちゃんは高校に進学した頃から背も高く、目鼻立ちもハッキリしていて野球で鍛えた筋肉がより引き立て所謂イケメンだった。
妹のあたしですらドキドキしてしまう程の美形に周りの女どもが興味を持たないわけがなかった。