Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「いらっしゃいませ〜」
開店と同時に下心まる見えの親父達が会社と家でのストレスを発散しようと癒しを求めてAngelの扉を開く。
こんな光景を見るのも久しぶりだった。
「おぉ〜麻里ちゃん。生きとったかい。会いたかったよ」
気色悪い親父に抱き着かれお尻を触られるのも久しぶりだった。
「もぉ〜お尻は別料金です。高いわよ」
魔性の女に化けたあたしは、いつの間にか赤いドレスから見える精一杯上げて寄せた胸の谷間に諭吉さんが沢山埋もれていた。
「麻里、初めてのお客様に付いて。お手柔らかにね」
ママが店の一番奥に座っている男をあたしに指名した。
うわ…なんか冴えない男。金持ってんのかな?
あたしは男の姿に絶句した。
男はグレーのスーツを着て地味なクロブチ眼鏡をかけ、やたらおしぼりで汗を拭いて落ち着きが無かった。
仕方ない…。
仕事だもんな。
そう思いながら先程の魔性の笑顔で男の待つボックスへと向かった。