Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「しらっしゃいませ〜Angelの麻里です」
あたしは男に笑顔で名刺を差し出し慣れた手つきで水割りを作る。
うわ…近くで見たらもっとヤバイやん。早くヘルプ来ないかな。あたし一人じゃ会話持たんわ…。
「あ、あの…もしかして山崎?」
男が眼鏡を外しあたしの顔を覗き込んだ。
「あっ!!!!!!」
あたしは思わず大声で叫んだ。
目の前にいるのは高校のクラスメートで学級委員長だった芹沢 剛(ツヨシ)だった。
剛は真面目で成績もよくて常に、手には参考書か書物を持っていてクラスメートから一歩引かれた存在だった。
一応、副委員長だったあたしは彼とはよく話していた。
「誰かと思ったら剛じゃん!卒業以来だよね。大学行かなかったの?」
「まあな…」
剛は県外の某有名大学に受かりてっきり県外に出たかと思っていたのでサラリーマン姿の剛に驚きを隠せなかった。