Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「い、いるけど…」
「じゃあ麻里と莉奈ちゃん予約入れといてな」
あたしの返事も聞かず電話は切れ気付いたら携帯が莉奈との待受画面に戻っていた。
今日は剛も予約してあるのに…―。
篤さんとお兄ちゃんが来たらオーナーやママがあたしを他のテーブルに回す訳がない。
例え、先客がいたとしても篤さんとお兄ちゃんがあたしと莉奈を指名すれば彼らが帰るまで席を外すことは許されない…―。
時計の針は既に出勤時間を指していた。
取りあえず家を出て最寄りの駅から莉奈との待ち合わせ場所に向かった。
莉奈に相談しなきゃ…。
いつものベンチに座り自動販売機でコールドからホットに変わっていた珈琲を二本買って莉奈を待った―。