Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
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<宛名>芹沢 剛
<件名> 麻里です♪
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お疲れ様♪
今日あたし家の用事あってAngelを休まなきゃいかんのよ。
だから剛の予約、明日にしてくれないかな?
本当無理言ってごめんね。
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「莉奈…これでいい?」
作成したメールを莉奈に見せてOKサインが出た所で、大きく深呼吸して送信ボタンを押した…―。
「はぁ〜嘘付くのはやっぱり良心が痛むわ」
送信完了の文字に罪悪感を感じ剛の顔が脳裏に浮かぶ―。
「麻里の心は硝子なんだよ。磨くたびに透き通って綺麗になるけど、簡単に傷が付いたり壊れやすいだろうね…」
”心が硝子”
確か、お兄ちゃんにも同じ事、言われたことあった…―。
あの時のあたしは心だけでなく体もボロボロでその割れた硝子を綺麗に繋ぎ合わせてくれたのもお兄ちゃんだった。
自分の胸に手を当てると硝子より重く氷よりも冷たい感じがした。
それから店に入り更衣室で化粧直しをしているとブランドのバックから青色に点滅している携帯が目に入った。