Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「ねぇ莉奈、明日どうしよう…」
「剛君が言ってた話…?まぁ、大体予想はつくけどね」
ソファにもたれお母さんの作ってくれたケーキを口中で転がしながら莉奈が言う―。
「予想って?」
「麻里は本当に鈍いよ!あれは誰がどう見ても麻里にホの字だよ」
”ホの字”って今も使うんだぁと感心しながらも言われた事に新ためて驚いた。
「剛が??あたしを??」
莉奈は大きく首を縦に動かすと溜め息混じりに煙草を吹かした。
「颯斗さんに相談したら?今日見た感じじゃあ麻里を監禁しかねないよ」
「お兄ちゃんに……」
いや、いくら何でも妹の恋路をボディガードするような暇は無いだろうし
これはあくまでもあたしの問題だから、お兄ちゃんに剛の事は言わなかった。
”縁結び”のお守りが縁を結んだ時、お守りの効果はなくなるのだろうか
いや、一度お守りを落としたから縁結びの神様が怒って縁結びと一緒に猛毒を送った。
だからあたしは猛毒の蛇に支配される弱者になってしまったんだ…―。