先生の秘密は恋の予感
佳奈実には何の罪もないけど、利用する価値がある。



「佳奈実、週末泊まりで遊びに行こうよ。」



ほらね、佳奈実がにり困っている。


それでいいんだ。



「私は泊まりは無理だよ。」



そう言うのは最初から分かってだけど。


佳奈実を困らせて、本城が悲しむ顔が見たいだけ。



「俺たち付き合ってるんだからいいじゃないか。それとも嫌なのかな。」


佳奈実が今にも泣きそうだ。


面白くなって来たぞ。



「岬に話したい事あるんだけど。」



佳奈実が本城をみたが。


本城に聞かれたくない話なんだろ。



「佳奈実は何も心配いらないよ。佳奈実が経験ないのは分かってるから、全て俺に任せて。」


本城は俺たちに背を向けたまま言った。



「加納は何を焦ってんだよ。佳奈実の気持ちも考えてやれよ。」


ふ~ん。



本城、おまえ今どんな気持ち。



かなり焦ってるは、本城、おまえだろ。



なんか面白くなってきたぞ。


佳奈実には何も言わせない。



「ごめん、岬、私は。」


何も言うな!



「煩い黙れ。俺は別れないよ。俺と別れられると思うのか。佳奈実は俺のものだから、絶対離さない。」


佳奈実が怯えていた


俺は逃げようとする佳奈実を捕まえると。


本城が俺の手を払おうとするけど。



「本城先生手を離して貰えます。」


離せよ。


思いきり手を振り払った。



「加納は俺に恨みでもあるのか?好きな女を虐めてそんなに楽しい?」


楽しいよ。


本城の苦しむ顔を見るのが楽しい。


佳奈実には何も罪はないけど。


本城の好きな佳奈実をボロボロにしてやりたい。








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