先生の秘密は恋の予感
怖い顔の浩平。


やっぱり私の言った事が真実なんだね。



「佳奈実に何が分かるのさ。」


分かるから言ってるのよ。



「分かるよ、私も落ちこぼれだから、いつもお姉ちゃんと比べられて、文句ばかり言われて来たから、私には浩平の気持ちが分かる。」


本当だから。


私も本当に辛くて、悔しくて、何度も逃げ出した。


何も言い返そうとしない浩平。



私の気持ちが届いたのかな。



「本当に嫌だったんだよ。宗平とずっと比べられて、宗平はいい子なのに浩平はどうしようもない子ね。」



泣かなくてもいいから。



「俺はどうしようもない嫌われ子で、いつも自分で自分に言い聞かせていた。おれは駄目な子なんだって。」


辛かったね。


悲しかったね。


本当に悔しかったと思う。









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