先生の秘密は恋の予感
結局加納先輩に送ってもらう事になってしまった。



なんだか彩子さんに悪くて。



「佳奈実ちゃんは気にしなくていいよ。」



彩子さんの笑顔があんなに可愛い事を、加納先輩は分かってるのだろうか。


仕方なく、加納先輩のチャリの後ろに乗る。



「佳奈実って呼んでいいかな?」



「はい。」


「俺に捕まらないと落ちるよ。」


このまま落ちてしまいたい。



「佳奈実ははいしか言わないね。」



「はい?」



「佳奈実って見た目と違うな。」


そうですか。



すみません。



「なんか面白い。俺は佳奈実が好きなんだ。」



好きって、誰が誰を。


え、え、えー。




「付き合ってほしい。」



「誰と誰が? 」



「俺は佳奈実が好きなの。だから、あぁ面倒くさい。
佳奈実は俺と付き合え!返事しろ。」



「はい?」



「分かった、了解だな。」


そんな強引な。



「先輩、考えさせて下さい。」


「無理、もう決めたから。」


先輩、私の話も聞いて下さい。


「私は多分駄目、長続きしないし、恋愛に向いてないみたいです。」


本当なんですから。


信じて下さい。


私と付き合ってもいいことなんか、ありません。


分かってくれましたか。







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