先生の秘密は恋の予感
加納先輩は考えているのか、しばらく無言。



「だから何?駄目って言う事なのか。」


分かってくれましたか。



「うまく言えないけど、私と付き合わない方がいいのではないかと思いまして。」


わかってよ。



「試してみようよ。俺と付き合ってみてどんな感じか。
佳奈実に似合う男になるからさ。」



加納先輩はそこまでしなくても、かなりモテるのに。



あ、彩子さんの事忘れてた。



「先輩が私の為にそこまでしなくても、先輩はモテるし、もっと身近にいるでしょ。」



彩子さんの事に気づいたの。



「彩子の事なら、彩子とは幼馴染みでずっと一緒にいたけど、恋愛対象じゃないな。彩子にはそう言ってあるよ。」



そんなぁ。



「私はやっぱり無理です。彩子さんの気持ち分かってあげてほしい。」


彩子さんの気持ちが分かるから。


私は先輩とは付き合えない。




「俺は真剣なんだ。おまえと同じ中学だったから、佳奈実の噂はよく聞いてた。我が儘で男を振り回す小悪魔だと。」



知ってるなら、付き合うなんて言わないでよ。


疲れた。


「だからなんだ。佳奈実と真剣な恋愛をしてみたい。佳奈実は不器用なだけで、本当は可愛い純粋な子。」



止めて!


何も知らなく癖に、分かったような事言わないで。


私の気持ちなんて、誰にも分からないし、分かってもらおうとも思わない。











< 30 / 178 >

この作品をシェア

pagetop