先生の秘密は恋の予感
バカげたことを言うな。


「これはレイプじゃない同意の行為だ。」


睨むなよ。


「ううん、違う。今さら復讐してどうなるの。私にこんな事して彼女を取り戻せる訳。このワンピは彼女にプレゼントしようとした物なんでしょ。その彼女と私を重ねた。」


「彼女は今どうしているの。」



佳奈実は何を知ってるんだ。


もしかして。


「思い出したから、佐倉凉子さんでしょ?母は高校の教師だから、教え子が自殺しと言ってた事があったし、母宛に遺書もあった。」


【二人を同時に愛してしまった私をお許し下さい。】


「その遺書は母が見せてくれた。母の中で一生忘れられない悔しい思い。母は泣いていた。」


「何故彼女の気持ちを分かってあげられなかったかってね。こんな事しても佐倉さんは喜ばない。佐倉さんのことはどんなに辛くても、思い出にかえて、乗り越えなきゃ駄目だよ。」


佳奈実き何が分かる。


俺のこの思いが簡単に分かるはずかない。



「おまえに何が分かる?俺の苦しみが分かるのか。俺が責めた為に彼女は自殺した。」


俺が彼女を殺した。


「それは違う。」


何が違うんだよ。


もう誰も好きにならない。


好きになってはいけないんだ。







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