何度でも Lovin' you!~season 2~
ガチャン!
優季が突然マグカップを落とした。
幸い、コーヒーはほとんど飲んでしまっていたので、テーブルにほんの少しこぼれただけで、服もカーペットも汚すことはなかった。
心なしか優季の顔色が悪い。
「大丈夫か?」
優季の顔を覗き込むと、優季は笑って、
『ごめん、手が滑っちゃった。それにしても、素敵な人ね?』
そう言うと、台ぶきんを取りにキッチンに行った。
「実は彼女、俺のお客様…と言っても、元はオーナーがホストだった頃のお客様なんだけど、俺にホストのノウハウを教えてくれたのは、彼女なんだ。
今、俺がこうしてNo.1でいられるのも彼女のおかげ、宮園社長には本当に感謝しきれないくらいお世話になった。
だから俺にとって彼女は、大切な人のひとりなんだ。」