何度でも Lovin' you!~season 2~
「あなたこそ、自分の娘を優季のこと…何もわかってないくせに…」
俺の怒りは頂点に達した。
でも、本気で怒りを覚えているというのに、何故か俺は冷静だった。
「社長が俺の誕生日に食べたケーキ…あれは優季が作ったものです。」
社長はハッとした表情で俺を見た。
『あの子が…作ったの…?』
俺は頷くと、
「あの時、社長はおっしゃいましたよね?
『ケーキを作った子は本命でしょ?』って…
そうです、あなたの娘の優季は、俺の片想いでしかないけれど、本命も本命、大本命の最高の女性です。」
ローテーブルに置かれた通帳を手に取ると、
「優季の部屋、全然物がなくて、殺風景なんです。恐らくあなたにお金を返すために、欲しい物も我慢して、必死になって貯金していたんだと思います。
それだけあなたに感謝しているんですよ。
なのに、何故…何故あなたはあんなに酷いことが言えるんですか?」
社長は、じわじわと言葉で追い詰めていく俺から、視線を外し、俯いてしまった。