何度でも Lovin' you!~season 2~



お父さんが亡くなっても、私にはまだお母さんがいる。


だからひとりぼっちじゃない…


これを支えに生きてこられた。


あの預金通帳は、私とお母さんを繋いでいた唯一のもの。


入金されているのが確認できると、お母さんも元気で頑張っている…


そう思うと、力が湧いてきた。



でも、もうそれすらなくなってしまった。


やり場のない悲しみと孤独感が私を襲う。



スゥーッ…


急に体に力が入らなくなって、その場にうずくまった。




心が痛い…


まるで、先の尖った針で、神経を刺されているみたいだ。




誰か助けて…





私の脳裏に浮かんだのは




「勇輝……」


無意識のうちにその名を呟いていた。



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