いとしのかずん
「中3? だっけ?」

「そ……」

「あの鼻たれのガキがねぇ……」

その脳裏には、数年前、いなかで一緒に遊んだ日のことでも描いているのか、敦美はしみじみとした目で遠くを見た。い


「うっせ……敦美だってガキだったくせに」

湯呑を多少荒っぽくとり、ふてくされつつ音をたててお茶をすすった。



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