いとしのかずん
「巧の知り合いだったの、あの人たち……」

健ちゃんを見送る俺の背後で、敦美がつぶやいた。

「うん、つっても、あとの2人は知らねえけど」

「そなんだ……」

「ったく……んな簡単にナンパされんなよな…」

俺はなぜか自然と敦美を突き放すような言葉が口から出た。

「うん、そだね……でも助かったよ! やっぱ、男だね、うん。少し見直した」

敦美は、俺の前に回り込んで、下から俺の顔をのぞきこんだ。
< 100 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop