いとしのかずん
「ん? どうした? 巧」

敦美が俺の視線に気付き、目と目を合わせた。

「あ、いや……」

俺は、反射的に目をそらせ、また敦美を見る。並んで歩いていく俺と敦美は、周りから見ると、どう見えているのだろうか。姉弟、友人、恋人……いずれにしても、敦美の隣に居られる自分に、少し優越感さえ抱きながら歩いていた。
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