いとしのかずん
「さあて、と……せい!」

大きく伸びを一つして、足を一歩前へ踏み出す。家の前の道には、小学生たちが列をなし、班登校のまっ最中だ。黄色い帽子が数個、背の順に並んで動く。これも、毎日の風景だ。

年度が変わっても、何もかわらない。

でも、ただひとつ、変わったことがあるとすれば、それは……
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