いとしのかずん
「じゃ、行こ……」

俺は、敦美に背を向け、歩きだした。

「待ってよー!」

敦美は、少し駆け足で俺の横までやってきて、並んだところで同じペースで歩いた。

「あたしの学校があるときはこうやってさあ、一緒に駅まで行こ? 巧」

敦美は、前を向いたまま、俺にそう言った。
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