いとしのかずん
「んなんじゃねえって……あいつは、俺のいとこだよ」

多少、口を尖らせつつ俺は否定した。

「いとこ? お前んち、いとこなんていたっけ?」

「春からこっちの大学入ってな、うちに下宿してんだ」

「下宿? てことは、お前、あの女と一緒に暮らしてんのか??」

「そりゃあ、な……」

「マジかよー! お前、あんな美人と一緒に暮らしてやがんのか」

「美人って……ただのいとこだし……」

「え? でもさあ、いとこって、結婚できるんじゃなかったっけ?」

「けっこん??」
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