いとしのかずん
席に着き、おちょぼ口をひろげてパンの角を口に運ぶ敦美。
その前には、スクランブルエッグやらウインナーやらの料理を盛った皿。
それらの中央に、紙パックのオレンジジュース。

敦美と一緒の朝食。
もちろん、夕食だって一緒だし、同じお風呂にだって入っている。
まあ、一緒に入ることは、ないけど……

とにかく、そんな日常を、今まさに味わっている。

敦美が将来、誰かと結婚したら、その伴侶となる野郎は、毎朝、こんな時間を過ごしているに違いない。

それを想像すると、なぜかやり場のない怒りのような感情がこみあげてくる。

ーー結婚、か……いとこでも結婚……できるのかな……

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