いとしのかずん
まだ敦美が来て、たった1か月ぐらいしか経っていないというのに、4人での夕食のほうが当たり前の光景になっていて、慣れ親しんだ家族のみでの夕食のほうに違和感を感じてしまう。
いや、違和感というよりは、もしかしたら淋しさ?

ちょっと会えないだけで、この気持ちの揺らぎよう。
もし、今生の別れになったとしたら、俺はちゃんと生きてゆけるのか。

そんな、どうでもいい心配すらしなければならず、おかげで勉強にもまったくといっていいほど身が入らない。

「ったく……なにやってんだ、俺」
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