いとしのかずん
以前に回帰したいという思い。
たぶん、ステップアップしたからこそ下が見える。

そんな、人生の階段を、一歩だけ上がったのだろう。

これから、そんな階段は、何段あるのか。
何段登れば、一息つけるのか。

一生、登り続けなければならないのだろうか。

漠然と、そう考える。
なにか、頭の上で黒い雲が渦を巻いて、うごめいているような感覚。

不安とも恐怖ともつかない、つかみどころのない感覚。
でも、心地いい感覚ではないことだけは、確か。
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