いとしのかずん
ーーガチャ

「はい? どちらさんですか?」


ドアを開けると、まず目に飛び込んできたのは、おそらく1000ccはあるだろうという、どでかい単車だった。

アメリカンタイプのハンドルは、さながら昆虫の触角のごとく、まるで敵を威圧するかのようにこちらを向いている。

黒いガソリンタンクには、メーカーのロゴが入っていて、そのシルバーに日差しが反射してキラキラしていた。
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