いとしのかずん
「おじゃま……します」

ーーわ、いい匂い……

部屋に入ると、まずいろいろな種類の化粧品が合わさった、いい匂いが俺を包んだ。

敦美の部屋は、引越しのときの雑多な雰囲気とはまるでかわっていた。
あの頃は段ボール箱ややむき出しの洋服やらがあちこちに散乱していて、畳みも半分以上は隠れていたものだったが、今ではすっかりと整理されていて、すっきりとした部屋になっている。

部屋の中央部には、白くてふかふかのカーペット。
その中央に、小さなガラステーブルが一つ、置いてある。
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