いとしのかずん
「ああ、あのさ……昼間、なんかケンタウルスってヤツが来たんだけど……」

ーーガタっ!

「ケンタウルス?」

その名前を聞くやいなや、敦美は驚きの表情でこっちを振り向いた。
その目は、これ以上ないと思うほどに大きく見開いていて、瞳がテンになっていた。

「それって、こーんな大きな男の人?」

右手を思いっきり高く上げる敦美。

「うん、リーゼントで、どでかいバイクに乗ってきた」

「ここに、きたの??」

「うん……」

「そっか……行動早いなー」
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