いとしのかずん
「あのー」
「あ、はい!」
「巧、起こしてきましょうか?」
「あ、いーですいーです! あの……」
少し慌てて右手で敦美を制した少女は、胸に抱いて持っていたノートを、敦美に差し出した。
「えっと、これ巧君に渡していただけますか?」
少しはにかんで、ノートの両端を持つ少女。表紙に書いてある名前には、神崎まりあ、と書いてある。いわゆるギャル文字とは程遠く、小さく綺麗な字で書かれてあった。それは、習字でもやっているかと思うほど丁寧な筆跡。今どきの娘にしては、きっちりとしていてとても整った美しい字だなと敦美は思った。
「あ、はい!」
「巧、起こしてきましょうか?」
「あ、いーですいーです! あの……」
少し慌てて右手で敦美を制した少女は、胸に抱いて持っていたノートを、敦美に差し出した。
「えっと、これ巧君に渡していただけますか?」
少しはにかんで、ノートの両端を持つ少女。表紙に書いてある名前には、神崎まりあ、と書いてある。いわゆるギャル文字とは程遠く、小さく綺麗な字で書かれてあった。それは、習字でもやっているかと思うほど丁寧な筆跡。今どきの娘にしては、きっちりとしていてとても整った美しい字だなと敦美は思った。