いとしのかずん
「あの敦美が……あんなに……」

「あの私が、どうしたって?」

「いや、あの敦美がね、って……! え? ……」

振り向くと、部屋の入口に敦美が立っていた。

「うわ!」

俺は思わずベッドから飛び上がった。その、たいそうなリアクションに敦美は

「うわって! んな驚かなくてもいいでしょ……」

腰に手を当てて呆れ顔だ。


――つか、いつ入ってきたんだよ…気配も消して、くのいちかお前は……
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