いとしのかずん

教室に入り、カバンから教科書を取り出して机へと入れる。机の中は、休む前につめんだプリントなどが乱雑に押し込まれていて、ほとんど物がはいる余裕などない。しかたなく、少し中のものをだして、プリントなどは反対にかばんにおしこんだ。

「あ、そうだ……」

かばんのなかに、ノートを発見。それは、同級生の神埼まりあから借りたものだった。といっても、こちらが貸してほしいといったものではなく、神崎のほうから一方的に貸してくれたものであった。結局、学校を休んでいるあいだは常に頭痛にさいなまれていたから、勉強などするような余裕もなく、最初に敦美から渡されたときにちらっと目を通したのみで、あとはノートを活用することもなく、今日にいたった。でも、いつまでも借りているわけもかないので、とりあえずは今日返さないと。。。