いとしのかずん
――ギクッ……
「……ばか! んなもんねえよ!」
声を荒げ、俺はあわててあたりを見回した。もしも、へんな本を出しっぱなしにでもしていたら…そしてそれを敦美に見つかったら、と想像するだに恐ろしい。
しかし、そんな男心など知る由もない敦美は
「隠すな隠すな、巧も、もう中3年だ…それが正常なんだって!」
と、デリカシーのかけらも見せず高らかに笑った。そんな、やたらとお姉さんぶる態度は、昔のまま変わっていない。
「……ばか! んなもんねえよ!」
声を荒げ、俺はあわててあたりを見回した。もしも、へんな本を出しっぱなしにでもしていたら…そしてそれを敦美に見つかったら、と想像するだに恐ろしい。
しかし、そんな男心など知る由もない敦美は
「隠すな隠すな、巧も、もう中3年だ…それが正常なんだって!」
と、デリカシーのかけらも見せず高らかに笑った。そんな、やたらとお姉さんぶる態度は、昔のまま変わっていない。