いとしのかずん
「よいしょっと……」

キシっと音をたてて、椅子に浅く座った敦美のスカートから出ている黒いストッキングの閉じたヒザが、二つぴったりと並んでこちらを向いていた。

「あー今日は疲れたなー!」

両手を大きく上に突き出し、もたれかかった椅子をきしませて伸びをする敦美。

上半身をのけぞらせていても、緑色のセーターの胸のあたりはふくらみを保っている。そこからスレンダーな腰にかけてのラインはS字に湾曲していて、あたかもグラビアアイドルのように細くて綺麗な曲線だった。

ーーうゎ……

俺はついつい、そのラインにじっと見入ってしまっていた。

「へー! 巧って、バドミントンやってんだ~!」

デスクの上に置いてあるバドミントン雑誌を手に取る敦美。その声に、はっと我に返った。
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