いとしのかずん
とりあえず、あと数日は一緒にいられるのだと思うと、胸がドキンと鼓動を打ち、にわかに騒ぐような感覚になった。でも、それを周りに悟られまいと、敦美の方を向いて

「んだよ…まだ居んのかよ……」

と、わざと悪態をついた。

「別に、巧に迷惑なんかかけないもんねーだ!」

敦美は、頬を軽くふくらませた。

ーーもちろん、本心なんかじゃない……本当は、ずっと、一緒の屋根の下にいたい……
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