いとしのかずん

昔話

――コンコン……

ベッドで寝そべり漫画を読んでいると、誰かがドアをノックする音。

「誰? ……」

「あたし……開けてもい?」

廊下から聞こえてきたのは、敦美の声だった。

「あ、、別にいいよ……」

雑誌を閉じ、ベッドにあぐらをかいてドアのほうに視線をうつした。

――ガチャ……

「お邪魔しまーす」

敦美は若干抑えめの声で、忍び足をしつつ部屋に入ってきた。
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