いとしのかずん
「う! うそだ! ……」
いくら幼い頃の事とはいえ、衝撃の事実に、俺は取り乱した。そんな俺を尻目に
「無理ないかー、まだ幼稚園くらいだったもんね、巧は……」
敦美は、遠い目をしながら椅子にもたれかかり、天井を見上げた。
――よりによって、敦美にそんな恥ずかしい秘密を握られていたなんて……
顔が火照っているのが自分でわかる。
きっと俺の耳は真っ赤に染まっているに違いない……
「ちぇ……そんな昔の事を……」
そう悪態をついたが、それでもちょっと口元が緩んだ。
敦美が、すぐ横にいる空間。
くだらないことをしゃべっているこの時間が、とても心地いい。
ずっと、この時間が続いてほしい。
そう思った。
いくら幼い頃の事とはいえ、衝撃の事実に、俺は取り乱した。そんな俺を尻目に
「無理ないかー、まだ幼稚園くらいだったもんね、巧は……」
敦美は、遠い目をしながら椅子にもたれかかり、天井を見上げた。
――よりによって、敦美にそんな恥ずかしい秘密を握られていたなんて……
顔が火照っているのが自分でわかる。
きっと俺の耳は真っ赤に染まっているに違いない……
「ちぇ……そんな昔の事を……」
そう悪態をついたが、それでもちょっと口元が緩んだ。
敦美が、すぐ横にいる空間。
くだらないことをしゃべっているこの時間が、とても心地いい。
ずっと、この時間が続いてほしい。
そう思った。