いとしのかずん
――ん? ……

「たくみ!」

――ん? …… あれ? ……」

「巧! いつまで寝てんの? もう九時だよ?」

――くじ? ……あれ? ……

俺はゆっくりと目を開けた。
白くぼやけた世界の真ん中に、敦美がいた。

――あ……つみ? ……

「もー! いつまで寝てんのよ……ご飯だからね!」

敦美は、腰に手をあて、呆れ顔で俺をのぞきこんでいた。
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