いとしのかずん
一人、取り残された俺は、とりあえず中へ入り、特に目的もなく彷徨い始めた。
店内を見回すと、床のあちこちには、おそらく正月の大売り出しに向け、これから棚に並ぶであろうビニールの紐でくくられた本が無造作に置いてある。

ワゴンも数台置いてあり、年賀状のソフトが付属したパソコン関連の雑誌が、ワゴンからあふれんばかりに置かれている。

それらを眺めつつ、俺は奥のほうへと歩を進めた。
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