いとしのかずん
――あ、今月号買わなきゃ……

ふと思い出し、スポーツのコーナーへ行く。棚に並んでいる雑誌の中から、バドミントンの月刊誌を探した。

――あ、あったあった……

目当ての雑誌は、棚の中でかなり目立つ場所にあった。表紙には、今やアイドル並みの人気を誇る女子選手がにっこりとほほ笑んでいる。

俺がその雑誌を手に取ると、両隣で立ち読みしていた若い男が同時にこちらを見た。おおかた、その女子選手がめあてなだけの、にわかファンだと思われているのかな、と俺は思った。

――んだよ……俺はな、この雑誌を、もう何年も愛読してんだかんな……

そう、心の中で一人勝手に言い訳をつぶやきながら、雑誌のページをめくった。
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