いとしのかずん
「どう? 俺の仮説がかなり入ってるけど、この話面白くない?」

俺は、そう言って一人悦に入った。もちろん、俺の仮説なのだが、いろんな人に話しているうちに、話としてもまとまってきて、我ながら面白い話だという自負がある。

「それはいいけど、巧アイス溶けてきてるよ?」

しかし、そんな俺の自慢など気にも留めず敦美はテーブルに目をやった。

「え?…… あっ!」

見ると、グラスの中のアイスは半分溶け、チョコと混ざりあっていた。

「やべ」

慌ててグラスを取ろうとすると、一足先に敦美が手を伸ばしてきて、俺のグラスを奪い取った。

「一口ちょうだい?」

「えっ……」
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