いとしのかずん
――さすがに、まだ帰ってはいないか……
館内をウロウロと徘徊すること約40分、俺は待ち合わせの場所に戻った。まだ約束の時間まで5分ある。左右を見渡すが、彼女の姿は発見できなかった。
――ま、いっか……そろそろ来るだろ…
俺は、人の往来が激しい通路を避け、少しくぼんだ柱のあたりに歩き出した。
「ん?」
途中、何気なく反対側の通路を見ると、トイレへと続く通路の入口で、1人の女性と、それを取り囲む数人の男が見えた。
「あ! 敦美!」
その女性を見て一瞬、目を疑った。なんと、その囲まれている女性は敦美だったのだ。何かの間違いかも、とよく目を凝らしたが、それは間違いなく、白いコート姿の敦美だった。
館内をウロウロと徘徊すること約40分、俺は待ち合わせの場所に戻った。まだ約束の時間まで5分ある。左右を見渡すが、彼女の姿は発見できなかった。
――ま、いっか……そろそろ来るだろ…
俺は、人の往来が激しい通路を避け、少しくぼんだ柱のあたりに歩き出した。
「ん?」
途中、何気なく反対側の通路を見ると、トイレへと続く通路の入口で、1人の女性と、それを取り囲む数人の男が見えた。
「あ! 敦美!」
その女性を見て一瞬、目を疑った。なんと、その囲まれている女性は敦美だったのだ。何かの間違いかも、とよく目を凝らしたが、それは間違いなく、白いコート姿の敦美だった。