いとしのかずん
「で、でも……連れがいるのよね」

敦美は、かなりの引きつり笑いで男をあしらおうとしていた。

「んなツレナイこと言わないで下さいやー」

しかし男は、壁に手を着いて敦美に詰め寄っている。

――ん! あれ? あいつ……

徐々に近付くにつれ、その男達の顔の輪郭がはっきりしていく。そして、そのうちの1人に、俺は見覚えがあった。

――あいつ……もしかしたら

更に近付くと、俺のもしかしては確信にかわった。

――やっぱり! 間違いない!
< 95 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop