いとしのかずん
「そうか、いとこなのか」

「うん、田舎からたまたま遊びに来ててさ」

「そうか、巧のいとこじゃ仕方ねえな……おい! 行くぞ」

健ちゃんは振り向き、あとの二人に手招きをした。言われた2人は、ダルそうにゆっくりと歩きはじめ、俺と敦美の横をすり抜けていった。

「んじゃな巧」

健ちゃんは、2人の男の後ろを、サンダルをズリズリとさせながら、やはり2人と同じくダルそうな歩調で去って行った。
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