それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
第1章
新米教師
満開の桜。
はかなく散るその淡いピンクがアスファルトに絨毯を広げる。
雲が気持ちよさそうに泳ぐ青い空にそのピンク。
美しいコントラストが無限に広がって、その可憐さに心が穏やかになる。
今日から子供の時からなりたかった教師になる。
緊張で固まる身体をその春の景色が優しく包み込んだ。
久しぶりに目にする母校。今日からここが私の職場。ふぅと一つ深呼吸をして、一歩足を踏み入れた。