それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
コンビニから出ようとしたら、有線から洋楽が流れてきて、坂上くんは足を停めた。英語が大嫌いな坂上くんも洋楽に興味あるのかな?―偏見だよね、申し訳ありません。

「この歌、よく流れててさ。曲名もアーティストもわかんねえし、英語はもっとわかんねえんだけど、好きなんだよね、この歌。」

そう目を細めて、聴き入る坂上くん。長い睫毛が、影を作っている。高い鼻、薄い唇。その横顔はあまりにも素敵で、脈が上がった。


『―はい、先程流れたこの曲はイギリスで若者に強烈な人気を博すロックバンド"Feliz"のニューシングル"At Any Cost"です。
意味は、"どんな犠牲を払っても"や"なんとしても"。応援歌で、前向きになれる素敵な歌ですね――――…』

"Feliz"
その言葉に私はスピーカーを探した。

ジェーン。すごいよ。
有線にあなたの音楽が流れたよ。

すごくかっこいい、ロック。声もすごく綺麗で。
あなたはほんとにかっこいい。
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