それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
そう答えると、家族は穏やかに微笑んだ。

「そういえば、ジェーン。荷物はそれだけ?」

私の隣にいるジェーンは小さなバッグだけしか持っていなかった。

「ジェーンはまだ帰らないんだよ。」

パパが小さく笑った。
…まだ帰らない?

「私、日本で仕事があるの。」

「え?」

「新曲と、再来週発売されるアルバムのプロモーションがあるんだ。」

彼女は誇らしげな笑みを浮かべた。幸せそうな、笑顔。

「凄い!そうそう、私FelizのCD買ったの。すごいよかった!詞もメロディーも、素敵!」

「あ、ありがとう…恥ずかしいな。」

照れるジェーンが可愛くて、愛しくて頬が緩む。
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