それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜

「行ってきます。」

なんて言っても返事はあるわけなく。だって一人暮らしだし。
社会人になってまで親のすねかじりをするわけにはいかなくて、だから地元だけど一人暮らしを始めた。

寂しくなったらいつでも遊びにおいでと笑顔で送り出してくれた両親。
そんな両親に感謝してる。


頬を掠めるそよ風が気持ち良くて思わず目を細め、空を見上げた。
今日は雲ひとつない快晴でどこまでも青が広がっていた。

「柳先生、おはようございます。」

「あ、吉田先生。おはようございます。」

「いい天気ですね。」

そう言って吉田先生は空を見上げた。

「ええ、とっても。」
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