それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
「吉田先生って女の人の扱い慣れてません?」
「なにおっしゃってるんですか、柳先生。そんなわけないじゃないですか。」
くすっと笑い吉田先生は軽く流した。
「…そうですか。ならいいですけど。」
「あー!美加先生っ。おはよう!」
そう腕に絡み付いたのは私のクラスの女子、田中さん。
「田中さん、おはよう。」
「先生今日も可愛いっ!そのグロスどこの?」
キラキラ輝く目でそう問い掛ける田中さん。可愛いなあ。
「ああ、これはね…」
教えるとうんうん、と大きく頷く彼女。
「あたしもそれ使おうかなー。凄いつやつやぷるぷるだもん!」
「そうね、オススメだし。」
「先生ってそのメーカーのコスメよく使うの?」
「まあねっ!」
そんな所謂ガールズトークをする私達を見て苦笑いする吉田先生。
「あれ?この人確か先生だよね?」
吉田先生に気付いた田中さんは吉田先生を指差す。
「吉田です。」
「ふーん。美加先生の彼氏?」
そんな問いに私はすぐさま否定した。
「残念だけど違うんだよね。そうなったらいいのにね。」
「吉田先生、思ってもないこと言わないでください。」
そう言うと吉田先生はただ笑うだけだった。