それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
校門を潜り、校舎に向かうと田中さんはある後ろ姿を見付けて、その後ろ姿に話し掛けた。
「坂上ー!」
「…田中…」
振り返る不機嫌そうな彼に一瞬ドキッとしてしまう。
「おはよ!相変わらず眠そうな顔してるね。」
「実際ねみーから。」
そう大きな欠伸をする。
「おはよう、坂上くん。」
挨拶しなきゃ不自然だから咄嗟に笑顔を作り挨拶。
「…おう」
「おう、じゃなくておはようでしょ。坂上くん。」
「どっちでもいいだろ。」
そう言い残し、先に歩き出した。
「…よくないって。」